文部科学省科学技術人材育成費補助金
データ収集日時: 2025年6月13日
文部科学省科学技術人材育成費補助金
データ収集日時: 2025年6月13日
概要
文部科学省科学技術人材育成費補助金は、我が国の科学技術・学術研究の発展と国際競争力強化を図るため、大学・研究機関等において優秀な科学技術人材の育成・確保・活躍促進を支援する制度です。ポスドク・若手研究者・女性研究者・外国人研究者等の多様な人材が活躍できる研究環境の整備と、次世代の科学技術・イノベーション創出を担う人材の戦略的育成を目指します。
対象者
基本要件
以下のいずれかに該当する機関：
- 大学・大学院
- 国立大学法人・公立大学・私立大学
-
大学共同利用機関法人
-
研究機関
- 国立研究開発法人・独立行政法人
-
公的研究機関・民間研究機関
-
学術団体・公益法人
- 学会・研究会・財団法人・社団法人
-
国際的な学術交流を行う機関
-
地方公共団体
- 都道府県・市町村
- 科学技術振興を担う公的機関
対象人材
- ポストドクター: 博士号取得後の研究者
- 若手研究者: 40歳未満の研究者（分野により異なる）
- 女性研究者: 出産・育児等でキャリア中断した女性研究者
- 外国人研究者: 海外から招聘する優秀な研究者
- 大学院生: 博士課程・修士課程の学生
- 研究支援人材: URA・技術者・事務職員等
主要事業メニュー
1. 卓越研究員事業
目的・概要
世界最高水準の研究力を有する卓越した研究者の育成・確保
対象: 博士号取得後10年程度以内の優秀な若手研究者
支援内容
- 研究費支援: 年間500万円～1,000万円（最長5年間）
- 人件費支援: 研究者の人件費支援（最長5年間）
- 研究環境整備: 研究室・設備・研究支援者確保
- 国際連携: 海外研究機関との共同研究・人材交流
選考・支援
- 公募・選考: 研究計画・実績・将来性による厳格な審査
- メンタリング: 指導教員・メンター制度・キャリア指導
- ネットワーク: 卓越研究員間の交流・情報共有・共同研究
- キャリアパス: 任期なしポスト・昇進・独立支援
2. 特別研究員事業（学振PD・SPD）
ポストドクトラル・フェロー（PD）
対象: 博士号取得者または取得見込み者
支援期間: 3年以内
支援内容:
- 研究奨励金: 月額36万2,000円
- 研究費: 年額100万円以内
- 海外渡航費: 国際会議・短期研究のための渡航費
- 特別研究員奨励費: 年額150万円以内の研究費
海外特別研究員
対象: 海外で研究する日本人若手研究者
支援期間: 2年以内
支援内容:
- 研究奨励金: 月額支給（渡航先により異なる）
- 研究費: 年額150万円以内
- 往復航空賃: 日本⇔渡航先間の航空賃
- 支度料: 渡航準備金・現地生活準備金
SPD（特別研究員）
対象: 特に優秀な博士号取得者
支援期間: 3年以内
支援内容:
- 研究奨励金: 月額43万5,000円
- 研究費: 年額300万円以内
- 優先配置: 有力研究機関での研究機会
- 国際交流: 海外研修・共同研究機会
3. 女性研究者支援事業
女性研究者研究活動支援事業
目的: 女性研究者の研究環境改善・活躍促進
対象: 出産・育児・介護等により研究継続が困難な女性研究者
支援内容:
- 研究サポート: 研究支援員・実験補助者の配置
- 保育支援: 学会出張時・研究活動時の保育サービス
- キャリア継続: 復帰支援・再就職支援・キャリア相談
- 環境整備: 保育室・搾乳室・休養室等の施設整備
ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ
目的: 多様な研究者が活躍できる研究環境の実現
対象: 大学・研究機関の組織的取組
支援内容:
- 牽引型: 先進的な取組を行う機関への重点支援
- 調和型: 女性研究者の活躍とワークライフバランス実現
- 先端型: 女性研究者の上位職登用・リーダー育成
- 全国ネットワーク: 機関間連携・ノウハウ共有・波及効果
4. 国際的な人材育成・交流
頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進事業
目的: 国際共同研究ネットワーク構築・人材交流促進
対象: 大学・研究機関
支援内容:
- 国際共同研究: 海外研究機関との戦略的パートナーシップ
- 人材派遣: 若手研究者の長期海外派遣（1年以上）
- 人材受入: 海外優秀研究者の招聘・共同研究
- ネットワーク: 持続的な国際研究ネットワーク構築
外国人研究者招聘事業
目的: 世界トップレベル研究者の招聘・協力関係構築
対象: 国内大学・研究機関
招聘カテゴリー:
- 外国人特別研究員: 博士号取得後の若手研究者（2年以内）
- 外国人招聘研究者: 著名な外国人研究者（短期～長期）
- 外国人著名研究者: ノーベル賞受賞者等の世界的権威
- BRIDGE Fellowship: アジア・アフリカ諸国との頭脳循環
5. 研究支援人材育成
リサーチ・アドミニストレーター（URA）育成・確保
目的: 研究マネジメント人材の育成・キャリアパス確立
対象: URA・研究管理職・産学連携コーディネーター
支援内容:
- 人材育成: URA育成プログラム・研修・スキルアップ
- 組織体制: URA組織の設置・運営・キャリアパス整備
- ネットワーク: URA全国ネットワーク・情報共有・協力
- スキル標準: URAスキル標準・認定制度・資格制度
研究設備・機器共用促進事業
目的: 研究設備の共用化・効率化・技術者育成
対象: 大学・研究機関
支援内容:
- 設備共用: 大型設備・機器の共用体制構築
- 技術者育成: 設備技術者・分析技術者のスキル向上
- ネットワーク: 機関間設備共用・遠隔利用・データ共有
- 運営改善: 共用システム改善・利用促進・効率化
6. 次世代研究者育成
大学院教育改革支援プログラム
目的: 大学院教育の抜本的改革・国際競争力強化
対象: 大学院博士課程・修士課程
支援内容:
- 教育プログラム: 体系的・組織的な大学院教育プログラム
- 産学連携: 産業界と連携した実践的教育・インターンシップ
- 国際化: 海外大学との共同学位・ダブルディグリー・交換留学
- キャリア支援: 多様なキャリアパス・就職支援・起業支援
博士課程教育リーディングプログラム
目的: 俯瞰力・独創力を備えた博士人材育成
対象: 博士課程学生
プログラム類型:
- オールラウンド型: 幅広い分野の俯瞰的視点育成
- 複合領域型: 複数分野融合による新領域創成
- オンリーワン型: 特定分野での世界最高水準追求
研究分野・領域
1. 理学分野
数学・物理学
- 数学: 代数・幾何・解析・確率・統計・計算数学・応用数学
- 物理学: 理論物理・実験物理・素粒子・原子核・物性・宇宙物理
- 天文学: 観測天文学・理論天文学・宇宙科学・惑星科学
- 地球科学: 地質・地球物理・気象・海洋・地球環境・災害科学
化学・生物学
- 化学: 有機化学・無機化学・物理化学・分析化学・高分子化学
- 生物学: 分子生物学・細胞生物学・発生生物学・進化生物学
- 生態学: 生態系・生物多様性・環境生物学・保全生物学
- 生化学: 酵素・代謝・分子機能・構造生物学・生物物理学
2. 工学分野
機械・電気・情報工学
- 機械工学: 材料・加工・設計・制御・ロボティクス・航空宇宙
- 電気電子工学: 回路・デバイス・通信・制御・パワー・システム
- 情報工学: アルゴリズム・ソフトウェア・ネットワーク・セキュリティ
- AI・データサイエンス: 機械学習・深層学習・ビッグデータ・IoT
化学工学・材料工学
- 化学工学: プロセス・反応・分離・エネルギー・環境・バイオ
- 材料工学: 金属・セラミックス・高分子・複合材料・ナノ材料
- 建築・土木工学: 構造・環境・都市計画・防災・インフラ・施工
- 原子力工学: 原子炉・核燃料・放射線・安全・廃炉・核融合
3. 生命科学・医学分野
基礎医学・臨床医学
- 基礎医学: 解剖・生理・病理・薬理・免疫・微生物・法医学
- 臨床医学: 内科・外科・小児科・産婦人科・精神科・放射線科
- 社会医学: 公衆衛生・疫学・医療政策・医療経済・国際保健
- 歯学: 基礎歯学・臨床歯学・口腔外科・矯正・予防歯科
薬学・看護学
- 薬学: 創薬・薬理・薬剤・臨床薬学・薬事・レギュラトリーサイエンス
- 看護学: 基礎看護・臨床看護・地域看護・助産・看護管理・看護教育
- 医療技術: 診療放射線・臨床検査・理学療法・作業療法・言語聴覚
- 公衆衛生: 環境衛生・産業衛生・栄養・健康政策・ヘルスプロモーション
4. 農学・環境科学分野
農学・林学・水産学
- 農学: 作物・園芸・畜産・農業経済・農業工学・食品科学
- 林学: 森林科学・林産学・森林環境・木材工学・森林政策
- 水産学: 水産資源・養殖・水産工学・水産経済・海洋生物
- 獣医学: 基礎獣医学・臨床獣医学・公衆衛生・動物衛生・野生動物
環境科学・地球科学
- 環境科学: 環境化学・環境生物・環境工学・環境政策・環境教育
- 地球科学: 地質・地球物理・気象・海洋・地球環境・自然災害
- 資源・エネルギー: 鉱物資源・エネルギー・再生可能エネルギー
- 持続可能性: 循環型社会・脱炭素・生物多様性・SDGs
5. 人文・社会科学分野
人文学
- 哲学・倫理学: 哲学・倫理・宗教・思想・論理学・科学哲学
- 歴史学: 日本史・東洋史・西洋史・考古学・文化史・思想史
- 文学・言語学: 国文学・外国文学・言語学・文芸学・比較文学
- 芸術学: 美術史・音楽学・演劇・映像・デザイン・文化研究
社会科学
- 法学・政治学: 憲法・民法・刑法・国際法・政治・行政・外交
- 経済学・経営学: 理論経済・応用経済・経営・会計・ファイナンス
- 社会学・人類学: 社会理論・社会調査・文化人類学・民族学
- 教育学・心理学: 教育・学習・発達・認知・社会心理・臨床心理
申請手続き
事前準備
研究計画立案
- 研究テーマ設定: 研究目的・意義・新規性・独創性の明確化
- 先行研究調査: 国内外の研究動向・課題・位置づけの整理
- 研究方法検討: 研究手法・実験計画・データ収集・解析方法
- 研究体制構築: 研究チーム・指導体制・協力機関・役割分担
- 資金計画策定: 研究費・人件費・設備費・旅費等の詳細計画
申請書類作成
- 研究計画書: 研究の背景・目的・方法・期待される成果
- 業績・経歴書: 研究業績・受賞歴・学会活動・社会貢献
- 推薦書: 指導教員・共同研究者・海外研究者等からの推薦
- 研究環境: 研究設備・図書・データベース・支援体制
- 倫理審査: 研究倫理・安全管理・情報管理・法令遵守
公募・選考プロセス
公募・申請
- 公募開始: 年1～2回の公募（事業により異なる）
- 申請受付: 電子申請システム（e-Rad）での申請受付
- 締切厳守: 申請締切日時の厳格な管理・遵守
- 形式審査: 申請要件・記載不備・添付書類の確認
審査・選考
- 書面審査: 専門研究者による研究計画・業績・能力の評価
- 面接審査: 申請者への面接・プレゼンテーション・質疑応答
- 総合評価: 研究内容・研究者の資質・実現可能性・波及効果
- 採択決定: 予算範囲内での採択者決定・結果通知
研究開始・実施
- 研究開始: 採択通知後の研究開始・研究費交付
- 中間報告: 研究進捗・成果・課題・計画変更の報告
- 年次報告: 年度ごとの研究実績・成果・会計報告
- 最終報告: 研究期間終了時の最終成果報告・評価
活用事例
事例1：卓越研究員によるAI・機械学習研究（30代男性研究者）
研究分野: 深層学習・コンピュータビジョン・医療画像診断
支援期間: 5年間
支援額: 総額4,000万円（研究費・人件費）
成果: 医療AI診断システム開発、国際共同研究3件、論文15本、特許3件、企業との共同研究開始
事例2：女性研究者の研究継続支援（40代女性研究者）
研究分野: 再生医療・幹細胞生物学・組織工学
支援内容: 研究サポート員配置・保育支援・設備利用
支援期間: 3年間
成果: 育児と研究の両立実現、准教授昇進、研究チーム拡大、国際学会で基調講演
事例3：外国人若手研究者の招聘（20代アジア系研究者）
研究分野: 量子コンピュータ・量子情報・量子アルゴリズム
招聘期間: 2年間
支援内容: 研究奨励金・研究費・住居支援・日本語研修
成果: 世界最高性能の量子アルゴリズム開発、日本企業への就職、国際特許出願
事例4：博士課程学生の国際派遣（20代日本人学生）
派遣先: 米国・欧州の著名研究室での共同研究
研究分野: 気候変動・大気科学・数値シミュレーション
派遣期間: 1年間
成果: 海外研究ネットワーク構築、共同論文発表、ポスドク採用内定、国際学会での受賞
事例5：URAによる研究マネジメント支援（30代URA）
支援内容: 研究プロジェクト企画・外部資金獲得・産学連携・国際連携
担当期間: 5年間
成果: 大型研究費獲得20件（総額50億円）、企業との共同研究30件、海外大学との協定締結10件
科学技術政策との連携
科学技術・イノベーション基本計画
- Society 5.0: デジタル社会・超スマート社会の実現
- ムーンショット: 困難だが実現すれば大きなインパクトをもたらす目標
- マテリアル革新: 材料・デバイス・システムの革新
- バイオエコノミー: 生物機能を活用した持続可能な経済
統合イノベーション戦略
- AI戦略: 人工知能技術の社会実装・人材育成
- バイオ戦略: バイオテクノロジー・ライフサイエンス・医療
- 量子技術: 量子コンピュータ・量子通信・量子センサー
- 宇宙戦略: 宇宙科学・宇宙探査・宇宙産業・安全保障
国際頭脳循環・研究ネットワーク
- 世界トップレベル研究拠点: WPI・卓越大学院・共創の場
- 国際共同研究: 二国間協力・多国間協力・大型国際プロジェクト
- 研究者交流: 派遣・招聘・協定・ネットワーク・プラットフォーム
- 科学外交: 科学技術を通じた国際協力・平和・発展
成果・評価・フォローアップ
研究成果指標
- 論文発表: 国際誌・国内誌・査読論文・総説・著書
- 学会発表: 国際学会・国内学会・招待講演・基調講演
- 知的財産: 特許・実用新案・意匠・商標・ライセンス
- 社会実装: 製品化・事業化・技術移転・ベンチャー創業
人材育成効果
- キャリア発展: 昇進・転職・独立・起業・国際的活躍
- ネットワーク: 研究者ネットワーク・産学官連携・国際協力
- 次世代育成: 学生指導・後輩指導・研究室運営・教育
- 社会貢献: 政策提言・技術指導・啓発活動・国際協力
長期的影響
- 学術発展: 新分野創成・パラダイムシフト・知の体系化
- 産業創出: 新産業・新市場・雇用創出・経済効果
- 社会課題解決: 環境・エネルギー・医療・防災・教育
- 国際競争力: 科学技術力・イノベーション力・人材力・発信力
今後の展開・課題
デジタル変革・DX
- 研究DX: データ駆動研究・AI活用・オープンサイエンス
- 教育DX: オンライン教育・個別最適化・国際協働
- 行政DX: 電子申請・データ共有・システム連携・効率化
- 社会DX: スマートシティ・デジタル社会・包摂的発展
グローバル化・多様性
- 国際化: 研究の国際化・人材の国際移動・協力・競争
- 多様性: 性別・国籍・年齢・分野・キャリアの多様性
- 包摂性: 地域格差・機会格差・デジタル格差の解消
- 持続可能性: SDGs・ESG・社会責任・倫理
次世代科学技術
- 融合研究: 分野融合・異分野連携・新領域創成
- 破壊的技術: ディスラプティブ・イノベーション・ゲームチェンジャー
- 未来技術: 新原理・新現象・新機能・新応用
- 社会実装: 実用化・普及・社会受容・制度整備
注意事項
- 研究倫理の遵守
- 研究不正・盗用・改ざん・捏造の防止
- 利益相反・守秘義務・安全管理の徹底
-
人を対象とする研究・動物実験の適切な実施
-
適正な研究費使用
- 研究費の目的外使用・私的流用の防止
- 会計書類・証拠書類の適切な保管
-
監査・調査への協力・説明責任
-
成果の適切な発信
- 研究成果の積極的な公表・発信
- 知的財産の適切な保護・活用
-
社会への還元・説明責任
-
キャリア発展の継続
- 支援期間終了後の自立的研究継続
- 次世代研究者の指導・育成
- 国際的ネットワークの維持・発展
問い合わせ先
文部科学省科学技術・学術政策局
人材政策課
- 電話: 03-5253-4111（代表）
- 受付時間: 9:30～18:15（土日祝日を除く）
- 住所: 〒100-8959 千代田区霞が関3-2-2
日本学術振興会（JSPS）
人材育成事業部
- 電話: 03-3263-1724
- 受付時間: 9:30～17:00（土日祝日を除く）
- 住所: 〒102-0083 千代田区麹町5-3-1
科学技術振興機構（JST）
人材育成部
- 電話: 03-5214-7375
- 受付時間: 9:30～17:30（土日祝日を除く）
- 住所: 〒102-0076 千代田区五番町7
各大学・研究機関
- 研究推進・研究支援・産学連携等の部局
- URA・リサーチアドミニストレーター
- 国際部・国際交流センター
関連リンク