東京都中小企業省エネ・再エネ設備導入支援事業
データ収集日時: 2025年6月13日
東京都中小企業省エネ・再エネ設備導入支援事業
データ収集日時: 2025年6月13日
概要
東京都中小企業省エネ・再エネ設備導入支援事業は、都内中小企業のカーボンニュートラル実現に向けた省エネルギー・再生可能エネルギー設備の導入を包括的に支援する制度です。2030年カーボンハーフ、2050年ゼロエミッション東京の実現に向け、中小企業の環境経営推進と競争力強化を図り、持続可能な社会の構築に貢献します。
対象者
基本要件
以下のすべてを満たす者：
- 事業所所在地要件
-
東京都内に本社または主たる事業所を有する中小企業・小規模事業者
-
中小企業基本法上の定義
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者
-
同法第2条第5項に規定する小規模事業者
-
事業継続要件
-
都内で1年以上継続して事業を営んでいること
-
環境取組要件
- 省エネ・CO2削減に積極的に取り組む意思を有すること
- 導入効果の測定・報告に協力すること
中小企業の定義
- 製造業その他: 資本金3億円以下または従業員300人以下
- 卸売業: 資本金1億円以下または従業員100人以下
- 小売業: 資本金5,000万円以下または従業員50人以下
- サービス業: 資本金5,000万円以下または従業員100人以下
小規模事業者の定義
- 商業・サービス業: 従業員5人以下
- 製造業その他: 従業員20人以下
対象外事業者
- 大企業・みなし大企業
- 暴力団等反社会的勢力と関係を有する者
- 都税を滞納している者
- 過去に同種設備で本制度の補助を受けた者
補助金額・補助率
基本枠
小規模事業者
- 補助上限額: 1,000万円
- 補助率: 対象経費の2/3以内
中小企業者
- 補助上限額: 1,500万円
- 補助率: 対象経費の1/2以内
特別枠
ゼロエミッション達成枠
- 対象: CO2排出実質ゼロを目指す企業
- 補助上限額: 2,000万円
- 補助率: 小規模事業者3/4、中小企業者2/3
環境認証取得枠
- 対象: ISO14001・エコアクション21等取得企業
- 補助上限額: 1,200万円（小規模）、1,800万円（中小）
- 補助率: 通常補助率に10%上乗せ
先進技術導入枠
- 対象: 最新省エネ・再エネ技術導入
- 補助上限額: 3,000万円
- 補助率: 小規模事業者2/3、中小企業者1/2
災害対応・BCP枠
- 対象: 災害時の事業継続に資する設備
- 補助上限額: 1,500万円
- 補助率: 小規模事業者2/3、中小企業者1/2
補助対象期間
- 交付決定日から1年6か月以内（最大2年まで延長可能）
対象設備・技術
1. 省エネルギー設備
高効率空調設備
- 業務用エアコン: インバータ・ヒートポンプ式高効率機
- 空調システム: 全熱交換器・デシカント空調
- 温湿度制御: VAV・FCU・クールチューブ
- 省エネ制御: BEMS・デマンド制御・AI制御
高効率照明設備
- LED照明: 高効率LED・有機EL・調光システム
- 照明制御: 人感センサー・昼光利用・タイマー制御
- 屋外照明: 街路灯・看板照明・投光器LED化
- 特殊照明: 植物工場・水槽・展示照明
高効率ボイラー・給湯設備
- 高効率ボイラー: 潜熱回収・排熱利用・バイオマス
- ヒートポンプ給湯: エコキュート・業務用ヒートポンプ
- コージェネレーション: ガスエンジン・燃料電池・バイオガス
- 排熱回収: 熱交換器・ヒートパイプ・蓄熱システム
高効率生産設備
- 電動機: 高効率モーター・インバータ・永久磁石同期電動機
- 圧縮機: 高効率コンプレッサー・可変速制御
- ポンプ: 高効率ポンプ・インバータ制御・台数制御
- 変圧器: 高効率変圧器・超電導変圧器
2. 再生可能エネルギー設備
太陽光発電設備
- 屋根設置型: 住宅用・産業用太陽光パネル
- 屋根一体型: BIPV・ソーラータイル・透明太陽電池
- 追尾式: 太陽追尾システム・集光型太陽電池
- 営農型: ソーラーシェアリング・アグリソーラー
太陽熱利用設備
- 給湯システム: 太陽熱温水器・ソーラーシステム
- 暖房システム: 太陽熱暖房・床暖房・空調連携
- 産業利用: 乾燥・加熱・蒸気生成・冷却
小型風力発電
- 垂直軸風車: サボニウス・ダリウス・ジャイロミル
- 水平軸風車: プロペラ型・可変ピッチ・ダウンウィンド
- ハイブリッド: 太陽光・風力複合・蓄電池連携
バイオマス・地熱等
- バイオマス発電: 木質・食品残渣・汚泥ガス化
- バイオマス熱利用: ペレットボイラー・チップボイラー
- 地中熱利用: ヒートポンプ・空調・給湯連携
- 小水力発電: マイクロ水力・用水路・工場排水利用
3. 蓄電・エネルギー管理設備
蓄電池システム
- リチウムイオン電池: 産業用・家庭用大容量蓄電池
- フロー電池: レドックスフロー・亜鉛臭素電池
- その他蓄電池: ナトリウム硫黄・ニッケル水素電池
- 蓄電制御: EMS・ピークカット・需給調整
エネルギー管理システム
- BEMS: ビルエネルギー管理・最適制御
- FEMS: 工場エネルギー管理・生産連携制御
- HEMS: 住宅エネルギー管理・家電制御
- 統合制御: マイクログリッド・VPP・DR
電力変換・制御設備
- パワーコンディショナー: 系統連系・自立運転・蓄電連携
- インバータ: 高効率・低歪・ノイズレス
- 制御装置: スマートメーター・HEMS・IoT連携
- 保護装置: 過電圧・地絡・逆潮流保護
4. 環境対応・省資源設備
廃棄物・リサイクル設備
- 廃棄物処理: 破砕・選別・圧縮・減容化
- リサイクル: 材料回収・ケミカルリサイクル
- バイオガス: 有機物発酵・メタンガス回収
- 堆肥化: 生ごみ処理・コンポスト・発酵促進
水処理・節水設備
- 排水処理: 浄化・脱窒・リン除去・高度処理
- 中水利用: 雨水・再生水・循環利用
- 節水機器: 節水型便器・水栓・シャワー
- 漏水防止: 圧力制御・流量監視・AI診断
大気・騒音対策設備
- 排ガス処理: 脱硫・脱硝・ダイオキシン除去
- 粉じん除去: バグフィルター・電気集塵・湿式除去
- VOC除去: 活性炭吸着・燃焼・吸収・生物処理
- 騒音対策: 防音壁・消音器・振動防止
5. 建物・断熱関連設備
断熱・遮熱設備
- 外壁断熱: 外断熱・内断熱・断熱材追加
- 屋根断熱: 屋根断熱・遮熱塗料・緑化
- 窓断熱: 複層ガラス・Low-Eガラス・内窓追加
- 気密化: 隙間対策・気密シート・防湿フィルム
自然エネルギー利用
- 自然採光: トップライト・ライトシェルフ・導光システム
- 自然換気: 重力換気・風力換気・ナイトパージ
- 緑化: 屋上緑化・壁面緑化・中庭緑化
- 水循環: 雨水利用・透水性舗装・ビオトープ
対象経費
1. 設備購入・設置費
- 対象設備の購入費・製作費
- 設置工事費・据付調整費
- 配管・配線・基礎工事費
- 運搬費・仮設費
2. システム構築費
- 制御システム・監視システム
- 通信設備・センサー設備
- ソフトウェア・アプリケーション
- システム設定・調整費
3. 設計・測定費
- 設備設計・システム設計
- 省エネ診断・効果測定
- 建築・電気設計
- 環境測定・性能試験
4. 認証・申請費
- 環境認証取得費用
- 各種申請・手続き費用
- 審査・検査費用
- 登録・更新費用
5. 既存設備撤去費
- 既存設備解体・撤去
- 廃棄物処理・リサイクル
- 原状回復・清掃
- アスベスト・PCB処理
対象外経費
- 土地購入・借地費用
- 建物建設・大規模改修
- 人件費（自社従業員）
- 維持管理・運営費用
- 消費税・地方消費税
- 交付決定前に発生した経費
申請手続き
募集期間
- 第1回: 4月～6月
- 第2回: 8月～10月
- 第3回: 12月～2月
- 年3回実施（予算状況により変更あり）
申請の流れ
- 事前診断・計画策定
- 省エネ診断の実施
- 設備導入計画の策定
-
効果予測・投資回収計算
-
申請書類作成
- 申請書・事業計画書
- 省エネ効果計算書
- 設備仕様書・見積書
-
設置場所図面・写真
-
申請書提出
- 東京都環境局宛
-
電子申請または郵送・持参
-
審査
- 書類審査（1次）
- 現地調査・技術審査（2次）
-
外部有識者による評価
-
交付決定
- 審査結果通知
- 交付決定通知書送付
-
補助金交付契約締結
-
設備導入・工事
- 交付決定後に設備発注・工事開始
- 進捗報告・中間検査
-
完了検査・性能確認
-
効果測定・報告
- 導入後の効果測定
- 実績報告書提出
-
継続的な効果確認
-
補助金交付
- 検査合格後に補助金交付
必要書類
- 補助金交付申請書
- 事業計画書・省エネ計画書
- 省エネ効果計算書
- 設備仕様書・見積書・カタログ
- 設置場所図面・現況写真
- 会社概要・決算書
- その他指定する書類
審査基準
省エネ・CO2削減効果（30点）
- 年間エネルギー削減量・削減率
- CO2排出削減量・削減率
- 投資回収年数・費用対効果
- 技術の先進性・効率性
事業の実現可能性（25点）
- 事業計画の具体性・妥当性
- 技術的実現可能性
- 実施体制の充実度
- 資金計画の妥当性
継続性・波及効果（25点）
- 導入効果の継続性
- 他設備・事業所への展開
- 同業他社への普及効果
- 技術・ノウハウの蓄積
政策適合性（20点）
- 東京都環境政策との適合性
- ゼロエミッション東京への貢献
- 先進的取組・モデル性
- 社会課題解決への貢献
活用事例
事例1：製造業の省エネ化（従業員40名）
導入設備: 高効率空調・LED照明・BEMS
補助額: 800万円
省エネ効果: 電力使用量30%削減、CO2排出40%削減
投資回収: 6年、年間光熱費300万円削減
事例2：オフィスビルの再エネ導入（従業員100名）
導入設備: 太陽光発電50kW・蓄電池・EMS
補助額: 1,200万円
効果: 電力自給率40%達成、停電時BCP確保
環境効果: 年間CO2削減25t、環境ブランド向上
事例3：小売店舗の総合省エネ（従業員8名）
導入設備: 高効率冷凍冷蔵庫・LED・太陽熱給湯
補助額: 400万円
効果: 光熱費50%削減、快適性向上
認証取得: エコアクション21認証、集客効果
事例4：工場の廃熱利用（従業員60名）
導入設備: 廃熱回収・コージェネ・蓄熱システム
補助額: 1,500万円
効果: 総合エネルギー効率80%達成
波及効果: 他工場への技術移転、省エネノウハウ蓄積
事例5：ホテルの環境対応（従業員30名）
導入設備: 地中熱ヒートポンプ・節水設備・BEMS
補助額: 1,000万円
効果: 光熱費40%削減、宿泊客満足度向上
認証: ISO14001取得、環境配慮型ホテルとしてブランド化
東京都の環境政策・支援体制
ゼロエミッション東京戦略
- 2030年目標: カーボンハーフ（50%削減）
- 2050年目標: CO2実質ゼロ・ゼロエミッション東京
- 重点分野: エネルギー・資源循環・自然・適応
キャップ&トレード制度
- 対象: 大規模事業所のCO2削減義務
- 中小企業: 削減量のクレジット化・売却可能
- 技術支援: 省エネ技術・再エネ導入支援
環境金融・税制
- 環境配慮型融資: 制度融資の優遇金利
- 税制優遇: 固定資産税・不動産取得税減免
- 補助金: 設備導入・認証取得・省エネ診断
技術支援・情報提供
- 省エネ診断: 無料省エネ診断・技術指導
- 技術相談: 環境技術・省エネ技術相談
- セミナー: 最新技術・制度説明・事例紹介
- 表彰制度: 優秀事例の表彰・普及啓発
環境認証・制度連携
対象となる環境認証
- ISO14001: 環境マネジメントシステム国際規格
- エコアクション21: 環境省策定の環境経営システム
- グリーン経営認証: 交通・物流分野の環境認証
- エコステージ: 地域密着型環境経営システム
認証取得支援
- コンサルティング: 認証取得の専門指導
- 研修: 内部監査員・環境管理責任者養成
- 書類作成: 環境方針・マニュアル・手順書
- 審査対応: 認証審査・継続審査の支援
連携制度・優遇措置
- 金融優遇: 制度融資の金利優遇・保証料軽減
- 補助金加算: 環境関連補助金の優遇措置
- 入札加点: 公共調達での環境配慮評価
- ブランド価値: 環境企業としての信頼性向上
効果測定・継続支援
効果測定システム
- エネルギー使用量: 電力・ガス・燃料の使用量
- CO2排出量: 直接排出・間接排出の算定
- コスト効果: 光熱費削減・投資回収状況
- 運用状況: 設備稼働率・保守管理状況
継続支援体制
- 定期診断: 年1回の省エネ診断・効果確認
- 技術相談: 運用改善・追加対策の相談
- 情報提供: 最新技術・制度情報の提供
- ネットワーク: 導入企業同士の情報交換
フォローアップ
- 効果報告: 年次効果報告書の提出
- 現地確認: 設備状況・運用状況の確認
- 改善指導: 効果向上のための技術指導
- 優良事例: 成功事例の公表・普及啓発
注意事項
- 設備の適正運用
- 設備の適切な運転・保守管理
- 省エネ効果の継続的な確保
-
運用マニュアルの整備・遵守
-
効果測定・報告
- 導入前後の効果測定・記録
- 年次効果報告の確実な提出
-
必要に応じた現地調査への協力
-
処分制限・目的外使用
- 法定耐用年数期間中の処分制限
- 補助目的以外での使用禁止
-
処分・移設時の事前承認
-
環境法令の遵守
- 環境関連法令の確実な遵守
- 公害防止・環境保全の推進
- 地域住民への配慮・説明
よくある質問
Q1: 既存設備の更新・改修も対象になるか？
A1: 既存設備からの省エネ効果が明確であれば、更新・改修も対象となります。
Q2: リース契約での設備導入は対象になるか？
A2: 所有権移転条件付きリース契約であれば対象となります。
Q3: 複数事業所での一括申請は可能か？
A3: 同一企業の複数事業所であれば、一括申請が可能です。
Q4: 他の補助金との併用は可能か？
A4: 同一設備・経費での重複受給は不可ですが、異なる設備であれば併用可能です。
問い合わせ先
東京都環境局地球環境エネルギー部
環境金融担当
- 電話: 03-5388-3440
- FAX: 03-5388-1380
- 受付時間: 9:00～17:00（土日祝日を除く）
- 住所: 〒163-8001 新宿区西新宿2-8-1 東京都庁第二本庁舎8階
公益財団法人東京都環境公社
省エネルギー相談室
- 電話: 03-5990-5091
- FAX: 03-5990-5097
- 受付時間: 9:00～17:00（土日祝日を除く）
東京都地球温暖化防止活動推進センター
省エネ相談窓口
- 電話: 03-5990-5091
- 受付時間: 9:00～17:00（土日祝日を除く）
関連リンク