被災者生活再建支援制度
データ収集日時: 2025年6月13日
被災者生活再建支援制度
データ収集日時: 2025年6月13日
概要
自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対し、生活の再建を支援するため、被災者生活再建支援法に基づき支給される支援金制度です。住宅の被害程度と再建方法に応じて、最大300万円が支給されます。使途の制限がなく、被災者の自立的な生活再建を促進します。
対象者
対象災害
- 災害救助法適用災害: 市町村単位で適用
- 10世帯以上全壊災害: 市町村内で10世帯以上が全壊
- 100世帯以上全壊災害: 都道府県内で100世帯以上が全壊
- その他: 隣接市町村で適用されている場合等
対象世帯
- 住宅全壊世帯: 住宅の全部が倒壊・流失
- 大規模半壊世帯: 住宅の半壊で大規模補修が必要
- 中規模半壊世帯: 住宅の半壊で相当規模の補修が必要
- 半壊解体世帯: 半壊でやむを得ず解体
- 長期避難世帯: 危険な状態が継続し居住不能
支援金の内容
基礎支援金（住宅の被害程度に応じて支給）
- 全壊・解体・長期避難世帯: 100万円
- 大規模半壊世帯: 50万円
- 単身世帯: 上記の3/4
加算支援金（住宅の再建方法に応じて支給）
- 建設・購入: 200万円
- 補修: 100万円
- 賃借（公営住宅除く）: 50万円
- 単身世帯: 上記の3/4
中規模半壊世帯への支援
- 建設・購入: 100万円
- 補修: 50万円
- 賃借: 25万円
- 基礎支援金なし、加算支援金のみ
申請手続き
申請期間
- 基礎支援金: 災害発生日から13月以内
- 加算支援金: 災害発生日から37月以内
- 延長可能: 市町村の事情により延長あり
申請窓口
- 被災時に居住していた市町村
- 市町村→都道府県→支援法人の流れ
必要書類
基礎支援金
- 支援金支給申請書
- り災証明書（市町村発行）
- 住民票（世帯全員分）
- 預金通帳の写し
- その他（解体証明書等）
加算支援金
- 契約書等の写し
- 建設・購入: 売買契約書、工事請負契約書
- 補修: 工事請負契約書、見積書
- 賃借: 賃貸借契約書
支給までの流れ
- 被害認定調査: 市町村職員による現地調査
- り災証明書発行: 被害程度の認定（1-4週間）
- 申請書提出: 必要書類を添えて市町村へ
- 審査: 都道府県経由で支援法人が審査
- 支給決定: 申請から1-2ヶ月程度
- 振込: 指定口座へ一括振込
特例措置
新型コロナウイルス関連
- 申請期限の延長
- 郵送申請の推奨
- オンライン相談の実施
高齢者・障害者支援
- 申請サポート体制
- 出張受付の実施
- 代理申請の柔軟化
広域避難者対応
- 避難先市町村での申請受付
- 必要書類の取得支援
- 関係自治体間の連携
併給可能な制度
災害救助法による支援
- 応急修理制度: 最大59.5万円（一部損壊は30万円）
- 仮設住宅提供: 原則2年間無償
- 生活必需品支給: 家電、寝具等
その他の支援制度
- 災害援護資金: 最大350万円の低利貸付
- 災害弔慰金: 最大500万円
- 災害障害見舞金: 最大250万円
- 義援金: 日本赤十字社等からの配分
税制上の措置
- 雑損控除または災害減免法による減免
- 固定資産税の減免
- 自動車税の減免
活用事例
事例1: 全壊世帯A（4人家族）
- 被害状況: 水害により住宅全壊
- 支援金: 基礎100万円 + 加算200万円 = 300万円
- 活用: 住宅ローン頭金と仮住まい費用
事例2: 大規模半壊世帯B（高齢夫婦）
- 被害状況: 地震により大規模半壊
- 支援金: 基礎50万円 + 加算100万円 = 150万円
- 活用: 耐震補強を含む大規模修繕
事例3: 中規模半壊世帯C（単身者）
- 被害状況: 土砂災害により中規模半壊
- 支援金: 加算37.5万円（50万円×3/4）
- 活用: アパート賃借の初期費用
よくある質問
Q: 支援金の使途に制限はありますか？
A: ありません。生活再建のために自由に使用できます。
Q: 保険金を受け取っても支給されますか？
A: 支給されます。保険金との調整はありません。
Q: 別居の家族がいる場合の世帯認定は？
A: 住民票上の世帯で判断します。生計が同一なら合算可。
Q: 賃貸住宅の借主も対象になりますか？
A: なりません。所有者が居住している住宅が対象です。
Q: 申請期限を過ぎた場合の救済措置は？
A: やむを得ない事情があれば個別に相談可能です。
注意事項
不正受給の防止
- 虚偽申請は刑事罰の対象
- 不正受給は3倍返還
- 定期的な現況確認あり
重複支援の調整
- 応急修理制度との併用時は注意
- 加算支援金は実際の再建方法で申請
- 再建方法変更時は差額調整
相談窓口
被災者専用コールセンター
- 電話: 0120-013-261（フリーダイヤル）
- 受付: 9:00-18:00（土日祝含む）
市町村窓口
- 各市町村の被災者支援担当課
- り災証明書発行窓口と同じ場合が多い
都道府県窓口
- 防災担当部局または福祉担当部局
- 広域調整、特例対応の相談
支援団体
- 日本司法書士会連合会: 無料相談
- 日本弁護士連合会: 法律相談
- 社会福祉協議会: 生活支援相談
関連情報
公式サイト
参考資料
最後に
被災者生活再建支援制度は、被災者の皆様の生活再建を応援する重要な制度です。支援金だけでなく、様々な支援制度を組み合わせて活用することで、より効果的な生活再建が可能となります。一人で悩まず、まずは相談窓口にご連絡ください。