神奈川県かながわイノベーション創出支援事業費補助金

神奈川県かながわイノベーション創出支援事業費補助金

データ収集日時: 2025年6月13日

概要

神奈川県かながわイノベーション創出支援事業費補助金は、県内企業・研究機関・大学等が連携して実施する革新的な研究開発プロジェクトを支援する制度です。「いのち輝く神奈川」の実現に向け、ライフサイエンス、ロボット、エネルギー、ICT等の先端技術分野でのイノベーション創出を促進し、新産業の創出と県内産業の競争力強化を図ります。

対象者

基本要件

以下のいずれかに該当する者を代表機関とする共同体：

1. 県内企業
2. 神奈川県内に本社または主たる事業所を有する中小企業・大企業

3. 製造業、情報通信業、サービス業等

4. 県内研究機関

5. 神奈川県内に所在する公的研究機関

6. 理化学研究所、産業技術総合研究所等

7. 県内大学

8. 神奈川県内に所在する大学・高等専門学校

9. 国公私立を問わず

10. 県内NPO・一般社団法人等

11. 研究開発を主たる目的とする非営利法人

共同体構成要件

• 構成員数: 3者以上の連携体制
• 県内事業者比率: 構成員の過半数が県内事業者
• 役割分担: 各構成員の明確な役割分担
• 成果活用: 県内での事業化・産業化計画

対象外事業者

• 暴力団等反社会的勢力と関係を有する者
• 県税を滞納している者
• 過去に本制度で重大な違反があった者

補助金額・補助率

補助金額

• 上限額: 3,000万円（単年度）
• 下限額: 500万円
• 事業期間: 最長3年間（総額最大9,000万円）

補助率

中小企業

• 研究開発費: 対象経費の2/3以内
• 実用化開発費: 対象経費の1/2以内

大企業・大学・研究機関

• 研究開発費: 対象経費の1/2以内
• 実用化開発費: 対象経費の1/3以内

加算措置

以下の場合には補助率を加算：

スタートアップ企業参画

• 10%加算: 創業5年以内の企業が参画

海外展開計画

• 5%加算: 海外市場への展開計画あり

SDGs達成貢献

• 5%加算: SDGs達成に資する取組

産学官連携強化

• 10%加算: 大学・公的研究機関・企業の3者連携

対象技術分野

1. ライフサイエンス・ヘルスケア

再生医療・細胞治療

• iPS細胞技術: 疾患治療・創薬研究
• 再生医療製品: 組織再生・臓器再生
• 遺伝子治療: 遺伝子編集技術・ベクター開発
• 免疫細胞療法: CAR-T細胞療法・NK細胞療法

医療機器・診断技術

• AI診断システム: 画像診断・病理診断
• ウェアラブル医療機器: 生体モニタリング・治療デバイス
• 低侵襲治療機器: 内視鏡・カテーテル技術
• 在宅医療機器: 遠隔モニタリング・訪問診療支援

創薬・バイオテクノロジー

• AI創薬: 薬物設計・スクリーニング
• バイオ医薬品: 抗体医薬・核酸医薬
• ドラッグデリバリー: 標的指向性・徐放性製剤
• コンパニオン診断: 個別化医療・精密医療

2. ロボット・AI技術

サービスロボット

• 介護ロボット: 移乗支援・見守り・リハビリ
• 清掃ロボット: 業務用・家庭用清掃
• 案内ロボット: 受付・観光案内・多言語対応
• 配送ロボット: 自律移動・ドローン配送

産業用ロボット・FA

• 協働ロボット: 人機協働・安全技術
• AI検査システム: 外観検査・品質管理
• 自動化システム: 無人化工場・スマートファクトリー
• 保守・点検ロボット: インフラ点検・予防保全

AI・機械学習

• 深層学習: 画像認識・自然言語処理
• エッジAI: 組込み型AI・リアルタイム処理
• 説明可能AI: AI判断の可視化・透明性
• 強化学習: 自律制御・最適化

3. エネルギー・環境技術

再生可能エネルギー

• 太陽電池: ペロブスカイト・有機薄膜
• 風力発電: 洋上風力・小型風力
• 水素エネルギー: 水素製造・燃料電池
• 地熱・海洋エネルギー: 地熱発電・波力発電

蓄電・電力システム

• 次世代電池: 全固体電池・ナトリウムイオン電池
• スマートグリッド: 電力需給調整・分散電源制御
• パワーエレクトロニクス: インバータ・電力変換
• エネルギーマネジメント: HEMS・BEMS・FEMS

環境・リサイクル技術

• CO2削減技術: 回収・利用・貯留（CCUS）
• 廃棄物処理: リサイクル技術・バイオマス活用
• 水処理技術: 膜分離・吸着・生物処理
• 大気浄化: VOC除去・PM2.5対策

4. ICT・通信技術

次世代通信

• 5G・Beyond 5G: 高速通信・低遅延・多接続
• IoT技術: センサーネットワーク・エッジコンピューティング
• 量子通信: 量子暗号・量子インターネット
• 衛星通信: 低軌道衛星・宇宙通信

DX・デジタル技術

• デジタルツイン: 仮想空間・シミュレーション
• ブロックチェーン: 分散台帳・トレーサビリティ
• AR/VR技術: 拡張現実・仮想現実・メタバース
• 量子コンピューティング: 量子アルゴリズム・量子ソフトウェア

5. モビリティ・交通技術

次世代自動車

• 自動運転: レベル4・5自動運転システム
• EV技術: 電動化・バッテリー管理
• 軽量化技術: 炭素繊維・新素材
• V2X通信: 車車間・路車間通信

新しい移動サービス

• MaaS: 統合型移動サービス
• 空飛ぶクルマ: eVTOL・都市航空交通
• パーソナルモビリティ: 電動キックボード・車椅子
• 物流革新: 自動配送・ドローン物流

6. 新素材・製造技術

先端材料

• ナノ材料: カーボンナノチューブ・グラフェン
• バイオ材料: 生分解性プラスチック・バイオマス材料
• 機能性材料: 形状記憶合金・超伝導材料
• 複合材料: 炭素繊維強化プラスチック・セラミックス複合材

製造技術革新

• 3Dプリンティング: 金属・セラミック・バイオプリンティング
• 精密加工: 超精密加工・レーザー加工
• 表面処理: コーティング・メッキ・エッチング
• 品質管理: 非破壊検査・在線計測

対象経費

1. 人件費

• 研究開発に従事する研究者・技術者の人件費
• 大学院生・ポスドクの人件費
• 外部研究員・コンサルタント費

2. 設備・機器費

• 研究開発用機械装置
• 計測・分析機器
• 実験用設備・装置
• ソフトウェア・システム

3. 原材料・消耗品費

• 試作用原材料・部品
• 実験用試薬・材料
• 消耗品・工具類

4. 外注費

• 試作品製作外注
• 分析・測定外注
• システム開発外注
• 設計・設計図作成外注

5. 旅費・交通費

• 研究打合せ・技術調査
• 学会・展示会参加
• 海外技術調査・発表

6. 知的財産関連費

• 特許出願費用
• 弁理士費用
• 技術調査費
• ライセンス料

7. その他経費

• 会議費・会場使用料
• 通信・郵送費
• 印刷・製本費
• 翻訳料

対象外経費

• 土地・建物購入費
• 既存設備の単純更新
• 一般管理費
• 飲食・接待費
• 消費税・地方消費税

申請手続き

募集スケジュール

• 第1回募集: 4月～6月
• 第2回募集: 9月～11月（予算状況により実施）

申請の流れ

1. 事前相談・マッチング
2. 県産業振興センターでの相談

3. 研究パートナーマッチング支援

4. 共同体形成

5. 共同研究契約の締結

6. 役割分担・知財取扱いの決定

7. 申請書類作成

8. 研究開発計画書（詳細版）
9. 技術・市場分析

10. 事業化計画書

11. 申請書提出

12. 電子申請システムで提出

13. 一次審査（書類審査）

14. 技術の革新性・実現可能性
15. 市場性・事業化可能性

16. 共同体の実施体制

17. 二次審査（プレゼンテーション）

18. 15分間の研究発表
19. 20分間の質疑応答

20. 外部有識者による評価

21. 最終選考・交付決定

22. 総合評価による採択決定

23. 交付決定通知・契約締結

24. 研究開発実施

25. 四半期ごとの進捗報告

26. 中間評価（2年目以降）

27. 最終成果報告

28. 研究成果報告書提出
29. 成果発表会での発表

必要書類

• 研究開発計画書
• 共同研究契約書
• 収支予算書
• 構成員概要・決算書
• 技術・特許調査書
• 市場分析・事業計画書
• その他指定する書類

審査基準

技術の革新性・独創性（30点）

• 技術・製品・サービスの新規性
• 従来技術との差別化・優位性
• 知的財産の創出可能性
• 技術移転・波及効果

研究開発の実現可能性（25点）

• 研究計画の具体性・妥当性
• 技術的実現可能性
• 実施体制の充実度
• リスク管理・対応策

市場性・事業化可能性（25点）

• 市場規模・成長性
• 競争優位性・差別化要因
• 事業化計画の具体性
• 収益性・持続性

地域経済・社会への貢献（20点）

• 神奈川県内での事業化
• 雇用創出・産業振興効果
• 社会課題解決への貢献
• 国際競争力強化

採択実績・事例

過去の採択プロジェクト

ライフサイエンス分野

iPS細胞由来心筋細胞シート治療システム - 代表機関: バイオベンチャー企業 - 連携機関: 国立大学、医療機器メーカー - 補助額: 2,800万円（3年間） - 成果: 医師主導治験開始、薬事承認申請

ロボット分野

AI搭載介護支援ロボット - 代表機関: 中小製造業 - 連携機関: 私立大学、介護施設 - 補助額: 2,500万円（3年間） - 成果: 商品化、介護施設への導入拡大

エネルギー分野

ペロブスカイト太陽電池実用化 - 代表機関: 中堅化学メーカー - 連携機関: 国立研究機関、建設会社 - 補助額: 3,000万円（3年間） - 成果: 発電効率20%達成、量産技術確立

ICT分野

量子暗号通信システム - 代表機関: IT企業 - 連携機関: 国立大学、通信事業者 - 補助額: 2,200万円（2年間） - 成果: 実証実験成功、特許取得10件

成果活用・事業化支援

フォローアップ支援

• 専門家メンタリング: 技術・経営課題への助言
• 進捗管理: 四半期ごとの進捗確認・課題解決
• 中間評価: 研究方向性の見直し・計画変更

事業化支援

• 事業化計画策定: ビジネスモデル構築支援
• 資金調達支援: 投資家紹介・補助金申請支援
• 販路開拓支援: 展示会出展・商談会参加

ネットワーキング

• 成果発表会: 研究成果の発表・交流
• 技術交流会: 研究者・企業間のマッチング
• 国際展開支援: 海外展示会・技術発表

知的財産支援

• 特許戦略: 知財戦略策定・出願支援
• 技術移転: ライセンス・共同研究仲介
• 標準化支援: 国際標準・業界標準への対応

神奈川県の研究開発環境

研究機関集積

• 理化学研究所: 理研横浜・理研RIKEN BDR
• 産業技術総合研究所: 臨海副都心センター
• 海洋研究開発機構: JAMSTEC横浜研究所
• 宇宙航空研究開発機構: JAXA相模原キャンパス

大学・高等教育機関

• 国立: 横浜国立大学、東京工業大学、東京大学（一部）
• 私立: 慶應義塾大学、早稲田大学、東海大学、神奈川大学
• 公立: 横浜市立大学、神奈川県立保健福祉大学

産業集積

• 京浜工業地帯: 化学・鉄鋼・機械
• 湘南テクノポール: IT・バイオ・環境
• かながわサイエンスパーク: ベンチャー企業集積

特区・拠点

• 京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区
• さがみロボット産業特区
• 国家戦略特区（近未来技術実証）

注意事項

1. 研究倫理の遵守
2. 研究倫理審査の実施

3. 安全管理・環境配慮

4. 知的財産の取扱い

5. 共同研究契約による権利関係明確化

6. 成果の県内活用優先

7. 成果の公開・活用

8. 研究成果の積極的発信

9. 技術移転・社会実装の推進

10. 国際連携・競争

11. 海外研究機関との連携促進
12. 国際標準化への対応

よくある質問

Q1: 県外企業も代表機関になれるか？ A1: 代表機関は県内事業者である必要がありますが、県外企業も構成員として参画可能です。

Q2: 基礎研究と応用研究のどちらが対象か？ A2: 事業化を見据えた応用研究・実用化研究が主対象ですが、革新的な基礎研究も対象となります。

Q3: 研究期間中の計画変更は可能か？ A3: 重要な変更は事前承認が必要ですが、研究の進展に応じた計画変更は可能です。

Q4: 海外での研究実施も対象になるか？ A4: 県内での研究実施が原則ですが、必要に応じて海外での技術調査・共同研究も認められます。

問い合わせ先

神奈川県産業労働局産業部産業振興課

イノベーション推進グループ - 電話: 045-210-5633 - FAX: 045-210-8873 - メール: [email protected] - 受付時間: 8:30～17:15（土日祝日を除く） - 住所: 〒231-8588 横浜市中区日本大通1

公益財団法人神奈川県産業振興センター

研究開発部 - 電話: 044-819-2100 - FAX: 044-819-2097 - 受付時間: 9:00～17:30（土日祝日を除く） - 住所: 〒213-0012 川崎市高津区坂戸3-2-1 かながわサイエンスパーク内

関連リンク

• 神奈川県産業振興課
• 神奈川県産業振興センター
• かながわサイエンスパーク
• 神奈川県ライフイノベーションセンター