東京都革新的事業展開設備投資支援事業
データ収集日時: 2025年6月13日
東京都革新的事業展開設備投資支援事業
データ収集日時: 2025年6月13日
概要
東京都革新的事業展開設備投資支援事業は、都内中小企業が新製品・新技術開発や生産性向上を目的として行う設備投資を支援する補助制度です。Society5.0の実現に向けた先端技術の活用や、カーボンニュートラルへの対応、デジタル化の推進等、東京の未来を支える革新的な取組を重点的に支援し、都内産業の競争力強化と持続的成長を図ります。
対象者
基本要件
以下のすべてを満たす者：
- 事業所所在地要件
-
東京都内に本社または主たる事業所を有する中小企業者・小規模事業者
-
中小企業基本法上の定義
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者
-
同法第2条第5項に規定する小規模事業者
-
事業継続要件
-
都内で同一事業を引き続き1年以上営んでいること
-
税務要件
- 都税を滞納していないこと
-
法人税・所得税の申告を行っていること
-
財務要件
- 直近3か月間の売上実績があること
- 債務超過でないこと
中小企業の定義
- 製造業その他: 資本金3億円以下または従業員300人以下
- 卸売業: 資本金1億円以下または従業員100人以下
- 小売業: 資本金5,000万円以下または従業員50人以下
- サービス業: 資本金5,000万円以下または従業員100人以下
小規模事業者の定義
- 商業・サービス業: 従業員5人以下
- 製造業その他: 従業員20人以下
対象外事業者
- 大企業・みなし大企業
- 医療法人・宗教法人・NPO法人
- 風俗営業等関連事業者
- 暴力団等反社会的勢力と関係を有する者
- 他の公的補助金で同一設備を取得した者
補助金額・補助率
基本枠
中小企業者
- 補助上限額: 1億円
- 補助率: 対象経費の1/2以内
小規模事業者
- 補助上限額: 3,000万円
- 補助率: 対象経費の2/3以内
特別枠
先端技術活用枠
- 対象: AI・IoT・ロボット等先端技術活用
- 補助上限額: 1億5,000万円
- 補助率: 中小企業者1/2、小規模事業者2/3
カーボンニュートラル枠
- 対象: 脱炭素化・省エネ設備投資
- 補助上限額: 1億5,000万円
- 補助率: 中小企業者1/2、小規模事業者2/3
デジタル化推進枠
- 対象: DX・デジタル化投資
- 補助上限額: 8,000万円
- 補助率: 中小企業者1/2、小規模事業者2/3
災害復旧枠
- 対象: 災害により被害を受けた企業
- 補助上限額: 1億円
- 補助率: 中小企業者2/3、小規模事業者3/4
補助対象期間
- 交付決定日から1年間（最大1年6か月まで延長可能）
対象事業・設備
1. 新製品・新技術開発
研究開発設備
- 試作・実験装置: 新製品開発用試作機・実験装置
- 測定・分析機器: 精密測定器・成分分析装置
- CAD/CAMシステム: 設計・解析ソフトウェア
- 3Dプリンター: 試作品製作・ラピッドプロトタイピング
先端技術設備
- AI・機械学習: GPUサーバー・学習用データセット
- IoTシステム: センサー・ゲートウェイ・クラウド
- ロボット技術: 産業用ロボット・協働ロボット
- VR/AR技術: VRヘッドセット・ARグラス・開発環境
2. 生産性向上・効率化
自動化設備
- 生産自動化: 自動組立装置・搬送システム
- 検査自動化: 自動検査装置・画像検査システム
- 物流自動化: 自動倉庫・AGV・ピッキングロボット
- 事務自動化: RPA・OCR・文書管理システム
高効率設備
- 高性能機械: CNC工作機械・レーザー加工機
- 省力化設備: 多軸加工機・複合加工機
- 品質向上設備: 精密測定器・非破壊検査装置
- エネルギー効率化: 高効率モーター・インバーター
3. デジタル化・DX推進
基幹システム
- ERP導入: 統合基幹業務システム
- CRM/SFA: 顧客関係管理・営業支援
- SCM: サプライチェーン管理システム
- BI/データ分析: ビジネスインテリジェンス・データウェアハウス
デジタル化基盤
- クラウド移行: サーバー・ストレージ・ネットワーク
- セキュリティ: ファイアウォール・VPN・認証システム
- テレワーク: Web会議・コラボレーションツール
- ペーパーレス: 電子契約・電子決裁・文書管理
4. 環境対応・省エネ
省エネ設備
- 高効率機器: 省エネ空調・LED照明・変圧器
- 断熱・遮熱: 建物断熱材・遮熱ガラス・屋根材
- エネルギー管理: BEMS・HEMS・デマンド制御
- 廃熱回収: 熱交換器・コージェネレーション
再生可能エネルギー
- 太陽光発電: ソーラーパネル・パワーコンディショナー
- 風力発電: 小型風力発電機・ハイブリッド発電
- バイオマス: バイオマスボイラー・発電設備
- 蓄電池: リチウムイオン電池・エネルギー貯蔵
5. 品質向上・安全対策
品質管理設備
- 計測機器: 三次元測定機・表面粗さ計
- 試験装置: 材料試験機・環境試験装置
- 検査システム: X線検査・超音波探傷
- トレーサビリティ: バーコード・RFID・QRコード
安全対策設備
- 作業安全: 安全柵・光カーテン・非常停止装置
- 環境安全: 排気装置・防爆設備・化学物質管理
- 防犯・警備: 監視カメラ・入退室管理・警報システム
- 災害対策: 非常用電源・防災設備・BCP対応
6. 新分野進出・事業転換
新事業設備
- 異業種参入: 新分野向け専用設備・技術導入
- サービス業転換: 製造業からサービス業への転換設備
- EC・オンライン: ネット販売・デジタルマーケティング
- 6次産業化: 農業・食品加工・直売・体験サービス
海外展開設備
- 輸出対応: 海外規格対応・認証取得設備
- 現地生産: 海外拠点向け設備・技術移転
- 品質確保: 国際標準対応・検査体制強化
- 物流効率化: 国際物流・梱包・保管設備
対象経費
1. 機械装置費
- 専用ソフトウェア（機械装置と一体として機能するもの）
- 機械装置の購入・製作・借用（所有権移転条件付リース含む）
- 機械装置の改良・改造・修繕
- 動産保険料（1年分）
2. 工具器具費
- 測定工具・検査器具
- 金型・治具・専用工具
- 研究開発用器具
- IT機器（パソコン・タブレット・サーバー等）
3. ソフトウェア費
- 専用ソフトウェア・アプリケーション
- クラウドサービス利用料（1年分）
- ソフトウェアライセンス料
- システム開発・カスタマイズ費
4. 設備費
- 建物付属設備（空調・電気・給排水等）
- 構築物（設備基礎・防音壁・安全柵等）
- 車両運搬具（事業用車両・フォークリフト等）
- 船舶・航空機（事業用のもの）
5. 原材料費
- 試作品の原材料・副材料
- 設備の試運転用材料
- 消耗品・工具類
- 梱包・包装材料
6. 委託・外注費
- 設備の設計・製作委託
- システム開発・導入委託
- 専門技術指導・コンサルティング
- 設置・据付・調整工事
7. その他経費
- 技術導入費・特許使用料
- 研修費・資格取得費
- 展示会出展費・デモンストレーション費
- 市場調査・技術調査費
対象外経費
- 人件費（自社従業員給与）
- 不動産取得費（土地・建物購入）
- 汎用性の高い事務機器
- 車両（乗用車・営業車）
- 交付決定前に契約・発注した経費
- 消費税・地方消費税
- 振込手数料等の金融費用
申請手続き
募集期間
- 第1回: 4月～5月
- 第2回: 8月～9月
- 第3回: 12月～1月
- 年3回実施（予算状況により変更あり）
申請の流れ
- 事前準備
- 事業計画の策定
- 設備仕様・見積書の取得
-
必要書類の準備
-
申請書作成
- 申請書・事業計画書の作成
- 収支計画・効果測定指標の設定
-
設備配置図・工程表の作成
-
申請書提出
- 東京都中小企業振興公社へ提出
-
電子申請または郵送・持参
-
審査
- 書類審査（1次）
- 現地調査・ヒアリング（2次）
-
外部有識者による評価
-
交付決定
- 審査結果通知
- 交付決定通知書送付
-
補助金交付契約締結
-
事業実施
- 交付決定後に設備発注・契約
- 四半期ごとの進捗報告
-
中間検査（必要に応じて）
-
完了検査
- 設備導入完了後の現地検査
- 実績報告書・証拠書類提出
-
効果測定・成果確認
-
補助金交付
- 検査合格後に補助金交付
- 最大2回の分割交付も可能
必要書類
申請時
- 補助金交付申請書
- 事業計画書
- 収支予算書・資金調達計画書
- 会社概要・決算書（3期分）
- 法人税確定申告書（3期分）
- 設備仕様書・見積書・カタログ
- 設備配置図・工程表
- その他指定する書類
実績報告時
- 実績報告書
- 収支決算書
- 契約書・請求書・領収書等
- 設備写真・納品書
- 効果測定資料
- その他指定する書類
審査基準
事業の必要性・緊急性（25点）
- 現在の経営課題・技術課題の明確性
- 設備投資の必要性・緊急性
- 課題解決手法の適切性
- 市場環境・競争環境への対応
事業の実現可能性（25点）
- 事業計画の具体性・妥当性
- 技術的実現可能性
- 実施体制の充実度
- 資金計画・調達計画の妥当性
事業の効果・継続性（25点）
- 売上・利益向上効果
- 生産性・品質向上効果
- 競争力強化効果
- 事業の継続性・発展性
地域経済・社会への貢献（25点）
- 東京都の産業振興への寄与
- 雇用創出・維持効果
- 他企業・地域への波及効果
- 社会課題解決への貢献
活用事例
事例1：AI活用製造業（従業員50名）
設備内容: AI画像検査システム・協働ロボット導入
補助枠: 先端技術活用枠
補助額: 8,000万円
効果: 検査精度99.9%達成、生産性40%向上、人件費削減
事例2：脱炭素化取組（従業員25名）
設備内容: 太陽光発電・蓄電池・省エネ設備導入
補助枠: カーボンニュートラル枠
補助額: 6,000万円
効果: CO2排出70%削減、電気料金50%削減、環境認証取得
事例3：中小IT企業のDX（従業員15名）
設備内容: クラウド基盤・開発環境・セキュリティ強化
補助枠: デジタル化推進枠
補助額: 3,000万円
効果: 開発効率3倍向上、リモートワーク100%実現
事例4：食品製造業の自動化（従業員30名）
設備内容: 自動包装ライン・品質管理システム導入
補助枠: 基本枠
補助額: 5,000万円
効果: 生産能力2倍増、品質向上、労働環境改善
事例5：小規模印刷業のデジタル化（従業員8名）
設備内容: デジタル印刷機・色管理システム導入
補助枠: 基本枠（小規模事業者）
補助額: 2,000万円
効果: 小ロット対応強化、納期短縮、新規顧客獲得
東京都の産業政策・支援体制
Society5.0推進
- デジタル技術: AI・IoT・ビッグデータ活用推進
- スマートファクトリー: 製造業のデジタル化
- スタートアップ: 革新的技術・ビジネスモデル育成
- 産学連携: 大学・研究機関との技術連携
カーボンニュートラル
- ゼロエミッション: 2030年カーボンハーフ、2050年ゼロエミッション
- 再エネ導入: 太陽光・風力等再生可能エネルギー
- 省エネ推進: 建物・設備の省エネ化
- 水素社会: 水素エネルギー活用推進
成長産業育成
- フィンテック: 金融×テクノロジー
- ヘルスケア: 医療・介護・健康産業
- コンテンツ産業: ゲーム・アニメ・映像
- 観光産業: インバウンド・MICE誘致
支援機関連携
- 東京都中小企業振興公社: 総合支援・技術開発
- 東京商工会議所: 経営相談・ネットワーキング
- 産業技術研究センター: 技術支援・共同研究
- 金融機関: 制度融資・成長資金
特別加点制度
政策加点（各5点）
- 経営革新計画承認企業
- 地域未来牽引企業
- 東京都認定事業
- ISO・JIS認証取得企業
- 働き方改革推進企業
連携加点（10点）
- 産学連携事業
- 企業間連携事業
- 海外展開事業
- 社会課題解決事業
地域加点（5点）
- 多摩地域立地企業
- 島しょ地域立地企業
- 産業集積地域立地企業
事業化・成果活用支援
フォローアップ支援
- 専門家派遣: 技術・経営アドバイザー
- 成果発表: 展示会・セミナーでの事例紹介
- メディア掲載: 取組内容の広報・PR支援
- ネットワーキング: 関連企業・機関との連携
販路開拓支援
- 展示会出展: 国内外展示会への出展支援
- 商談会: 大手企業・海外企業との商談機会
- カタログ掲載: 都の広報媒体での製品紹介
- 認定制度: 優秀製品・技術の都認定
追加支援制度
- 研究開発: 次段階の技術開発支援
- 設備投資: 継続的な設備投資支援
- 海外展開: 輸出・現地進出支援
- 人材確保: 専門人材採用・育成支援
注意事項
- 設備の適正使用
- 申請目的以外での使用禁止
- 適切な保守・管理の実施
-
処分制限期間の遵守
-
効果測定・報告
- 定量的効果指標の継続測定
- 年次効果報告の提出
-
必要に応じた現地調査への協力
-
財産処分制限
- 法定耐用年数期間中の処分制限
- 処分時の事前承認・補助金返還
-
目的外使用時の承認手続き
-
情報公開・広報協力
- 事業成果の情報公開
- 視察・取材への協力
- 好事例としての活用許可
よくある質問
Q1: リース契約での設備導入は対象になるか？
A1: 所有権移転条件付きリース契約であれば対象となります。オペレーティングリースは対象外です。
Q2: 中古設備の購入は対象になるか？
A2: 原則として新品設備が対象ですが、技術的に新品での調達が困難な場合は相談に応じます。
Q3: 複数年度にわたる設備投資は可能か？
A3: 単年度での完了が原則ですが、大規模投資の場合は最大1年6か月まで延長可能です。
Q4: 他の補助金との併用は可能か？
A4: 同一設備・経費での重複受給は不可ですが、異なる設備であれば併用可能です。
問い合わせ先
公益財団法人東京都中小企業振興公社
設備投資支援部
- 電話: 03-3251-7895
- FAX: 03-3251-7796
- メール: [email protected]
- 受付時間: 9:00～17:00（土日祝日を除く）
- 住所: 〒101-0025 千代田区神田佐久間町1-9 東京都産業労働局秋葉原庁舎
東京都産業労働局商工部創業支援課
設備投資支援担当
- 電話: 03-5320-4745
- FAX: 03-5388-1474
- 受付時間: 9:00～17:00（土日祝日を除く）
各支援機関
- 東京商工会議所: 03-3283-7500
- 東京都産業技術研究センター: 03-5530-2140
- 各区商工会議所・商工会: 最寄りの窓口
関連リンク